
医学博士 村松 學 (Satoru MURAMATSU Dr.)
武蔵野大学講師、医学博士、技術士(衛生工学部門)、
室内環境学会前会長
最近の住宅は換気が不十分
アルミサッシの普及や建築技術の進化により、最近の住宅は断熱性と気密化が進んでいます。そのため室内の空気が外の空気と入れ替わる1時間あたりの換気回数は、昔の住宅で5~6回/毎時もあったものが、現在では0.1回/毎時程度まで落ちています。つまり10時間に1回位しか室内の空気が入れ替わらないわけです。
そこで建築基準法※でも全ての建築物に換気設備が義務付けられました。このことによって気密性が高く、高断熱の住宅やマンションでは24時間換気が出来なければならないことになりました。省エネルギーを進めることは必要なことですが、そのために住んでいる人が健康を害するようなことがあってはなりません。室内の空気の汚れと揮発性の有機化合物の対策のためには、空気清浄機と換気の併用によることが一番良い方法です。
※建築基準法の一部を改正する法律(平成15年7月1日)
シックハウス問題の対策
室内空気汚染の話題となっているシックハウスとは、「シックハウス症候群」といわれるもので、また「化学物質過敏症」といわれるものもあります。両者とも新建材や塗料などに広い範囲に含まれる化学物質が原因です。シックハウス症候群は、居住に由来する様々な健康障害の総称であるのに対して、化学物質過敏症は微量の特有の化学物質に反応する非アレルギー性の過敏状態を示し、精神、身体的症状を示すものです。いずれの症状も室内でその症状は顕著となります。
空気清浄機に必要なことは・・・
最近の気密性の高い住宅では、外気や室内の空気汚染の対策が必要で、外気の取り入れが少なくとも、空気中の浮遊粉じんや化学物質などの除去を十分考慮した空気清浄機が必要となります。
冬期は、特に換気量の低い室内環境となるため、内部で発生した汚染物質を除去する必要が生じ、また花粉が問題となる初春は、外気から取り込まれる花粉などの汚染物質の除去を行う必要が生じます。そのため、高い効率の空気清浄機が有効であるといえます。
空気清浄機の性能を測る基準として、米国においては日本よりも早くから生活者の立場で客観的な空気清浄機の選択基準が求められています。なぜなら空気清浄機の性能は、どのような機能が付いているか、付いていないかを競争するより、実際に一定の室内環境下で空気清浄機を運転した時に、空気中の浮遊粉じんや、汚染物質の低減量を客観的に評価した方がフェアであると考えられたからです。現代の室内空気環境を考えると、空気清浄機は大量の汚染された空気を一挙にろ過して、急速に空気の清浄度を維持することが大切です。大量の空気量を処理できることは、室内の気流を高め空気分布を快適に保つという点からも重要といえます。












































































